ハナレグミ
ハナレグミのLIVEに行ってきた。 場所は横浜BAY HALL。初めての場所。
1000人近い人がぎゅうぎゅうのスタンディングで熱狂する。すごいエネルギーの渦。
時には激しく、時にはメロウだった。素晴らしかった。
心の荒々しい場所を音楽で揺さぶるかと思えば、心の繊細な場所を細かく震わすような歌声がメロウに響く。
ハナレグミの永積タカシさんの組成には、黒人のブルースの魂や、モータウンやレゲエ。日本の歌謡曲。様々なものが独自に混合していた。
それにしても、メロウ(mellow)なサウンド、というのがここまで似合う人も珍しい。 歌声だけではなく朗読の声も、甘く溶け合うような響き。
「mellow」とは、音楽や色で甘美な様を表す言葉だが、果物が熟して甘い状態を指したり、チーズやワインが熟成して芳醇でまろやかな味と香りを醸し出す状態を指す言葉でもある。
ハナレグミの音の響きは、こうした熟成させた感情のようなものに触れている。 熟成するには、発酵するまで「待つ力」が大切で、待つことに「耐える力」も必要になる。 そうした力が空間に響くのだろう。
気恥ずかしい事を気恥ずかしく感じさせない力が音楽にはあり、それは人を真心へ素直へと戻す力があると思う。
永積タカシさんはモータウン(Motown)のサウンドやJazzが好きだと噂で聴いていて、ここはジャクソンファイブの影響か?テンプテーションズ?ローランド・カーク?など、あらゆるサウンドが血肉となり身体をくぐっている気がした。
オザケンの「今夜はブギー・バック」「ラブリー」も歌っていた。
ああ、オザケンもこうした普遍性のあるメロディーを歌っていたなぁと胸が熱くなった。いま、オザケンのすべてを見返しているところ。
「オリビアを聴きながら」のカバーも最高だった。歌うことの素朴な喜び、聞くことの素直な喜び。
会場では、青柳拓次さんという、LITTLE CREATURESを率いる圧倒的に天才的な音楽性を持つ方とも偶然お話しできて、本当に豊かな時間だった。
ライブハウスは空気が換気されていないので窒息しそうで、他の人が吐いた酸素を再吸引していると思うと奇妙な気持ちになったが、ハナレグミのLIVEパフォーマンスが圧倒的に楽しく、窒息をしばし忘れた。
●ハナレグミ - おあいこ 【MUSIC VIDEO】
→ハナレグミの「おあいこ」は、 作詞・作曲:野田洋次郎というだけでも驚きだが、ミュージックビデオに清水富美加さんが出ていることにも、2倍の驚きだ。そして、名曲だ。
●ハナレグミ - オアシス 【MUSIC VIDEO】
●ハナレグミ - オリビアを聴きながら with 東京スカパラダイスオーケストラ
●ハナレグミ 家族の風景