何を感じ、何を思うのか
「校庭を5周走ってきなさい!」と言われて1㎞走るのと、自分の健康のために自分の意思で喜びとして1㎞走るのでは、物理的には同じ1kmなのに、体への影響、心への影響、自分が得るものが違うのはなぜだろうか。 このことは小学生のころから疑問に思っていたが、いまだにその問いは完全には...
異次元からの光:横尾忠則「原郷の森」(2022、文藝春秋)
仕事で疲れ果てている時に、不在票に、「差出人様 横尾忠則」、とあり、驚いて受け取ったら、あまりに本が分厚過ぎてポストに入らなかったと分かった。 横尾忠則「原郷の森」文藝春秋。 文学界に連載されていた。 東京都現代美術館で大きな個展をしながら、こんなにも圧倒的な文章まで書いて...
井上ひさし「この人から受け継ぐもの」(岩波書店、2010年)
井上ひさしさんの「この人から受け継ぐもの」(岩波書店、2010年)を再読。 井上ひさしさんが生前に、サインを頼まれた時によく書く言葉が、 『むずかしいことをやさしく、 やさしいことふかく、 ふかいことをゆかいに、 ゆかいなことをまじめに書くこと』 だった。...
3.11 善意を持って祈る力
3月11日を迎える度に思い出す。 2011年のときに感じた体の感覚。 不安やおそれ、絶望や孤独、世界の終わりや破滅・・・いろんなことが頭をよぎった。 そして、頭以上に、体や心が記憶しているかのように、ブルブルッと震えたりして、記憶しているようだ。...
美しいおくすり手帖
KARUIZAWA HOSPITAL WITHOUT ROOF について。 10年以上、東大病院の循環器内科医として心臓の専門的な職に従事してきました。専門的で緻密な仕事の追求は甘美で面白く、どんどん深くミクロな世界へと入っていきますが、自分が着地したい場所ではないと思うよ...
いのちの原理から学び続けること
稲葉俊郎「からだとこころの健康学」(NHK出版:2019)を、鷗友学園女子中学校の国語の入試(2021年度)に採用頂き、ありがとうございます。そして、問題と解答もHP上で公開されています。 (https://www.ohyu.jp/admissions/informatio...
2022/3/13(Sun)(Online):『夢中になれる小児病棟』(英治出版):松本惠里×國友勇吾×稲葉俊郎 鼎談
『夢中になれる小児病棟』(英治出版)フェア開催記念~松本惠里×國友勇吾×稲葉俊郎トークショー~ 2021年に刊行された『夢中になれる小児病棟』(英治出版)。 病気や障がいのある子どもたちにアートを届ける活動をされて来たNPO法人スマイリングホスピタルジャパン代表理事・松本惠...
アートと医学(稲葉俊郎x星野太)@MAGUSアートスクール・オンライン講座
こちら、いぜん、MAGUSアートスクール・オンライン講座で話した内容。 「アートと医学」で星野太さんと対話していますが、結局、「わたしは横尾忠則が大好きなんだ!」ということを延々と語っているだけではないか、という気もする内容です。笑...
『広報かるいざわ』2022年3月号:連載17回目(最終回)
毎月はじめに書いている広報かるいざわの記事。 この3月号で最終回。 医療と芸術のことを、再度書かせてもらい、最終回にしました。 最後に、「今号で連載は最終回です。お読みいただき、ありがとうございました。」と書いてあるのですが、...
「殺すな」(岡本太郎、1967年ワシントンポスト)
ベトナム戦争のとき、日本のベ平連が「ワシントンポスト」紙に出した、「殺すな」の文字を書いたのは岡本太郎。1967年ワシントンポスト紙。 成熟した国かどうかのひとつの基準は、「人を殺してはいけない」ということが理屈なく当たり前に通るかどうか、にあると思う。それは国だけではなく...