いのちの渇きを
3/12日曜は、自分が主催する日本最古の医学書『医心方』(984年、編集:丹波康頼、現代語訳:槇佐知子)の寺子屋勉強会の最終日だった。 1年間で年間計画を立てて、現代語訳をされた槇佐知子先生を講師にお招きし、全30巻(33冊)を1年間かけて読んだ。1冊につき500‐600...
論語 「楽(音楽)」と「礼」
自分は音楽が好きだ。 音楽を聴きながら生活していることが多い。 論語を読んでみると、音楽はひとをつなげる働きがあると書いてある。 確かに、どんな人とでも、音楽を聴くと新しい場がつくられ、その場にいる人は一体感を感じることができる。 ただ、それだけでは不十分だとも書いてある。...
浦沢直樹の漫勉
NHKで不定期に放映される『浦沢直樹の漫勉』は毎回欠かさず見ている。 自分にとって永遠のスーパースターである漫画家のみなさんの日常に迫る素晴らしい番組。 浦沢さんがナビゲートするからこそ、過酷なプロ漫画家を生き抜く同士としての光の当て方がすごい。...
永田カビ『さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ』(漫画)
永田カビさんの漫画『さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ』イースト・プレス (2016年)は、当事者の当事者による痛みを伴う成長の物語で、とても考えさせられる漫画だった。 タイトルは、ややインパクト重視な印象。 当事者が見ている風景は、やはり当事者でしか見えないものがあり、...
思わず小走りになる身体
午前と午後の合間の昼休みに、小走りで大学の生協に買いに行った。 小走りで本を買いに行くのは、小学生の時のジャンプやコロコロコミックと、村上春樹さんくらいです。 思わずニヤリニヤリ。ちょっと気持ち悪い人だったでしょう。 本は、このズッシリ感がいいんですよね。 ...
うつほ物語(宇津保物語)
大学の友人たちと行っている輪読会のため、うつほ物語(宇津保物語)を読んだ。 うつほ物語(平安時代中期)は、竹取物語と源氏物語をつなぐ重要な作品だと思う。 紫式部も、このうつほ物語を読んでいただろう。 「うつほ」は木の空洞の場所のこと。木の空洞(「うつほ」)で育った女性が主...
緑
光がきれいな日は、緑がきれいだ。 空気中の水分子が特殊な組成のとき、光が空間を美しく貫通する日。 そういう日はなんだか嬉しくなる。 若松英輔さんが染織家である志村ふくみさんの文章を紹介されていて、志村ふくみさんから「緑色」の本質を知った。...
寺田寅彦「頭がよくて頭がわるい」
科学や医学の行く末を、色々、悶々と考えている。 1900年くらいにX線が発見された。ほんの100年で人類はここまで進んだ。システムも進んだ。 ただ、この方向性が正しいものか、それは誰も知らないし分かりようもない。大枠の方向性があっていても、角度が0.1度ずれただけで、数十...
Jay Rubin「村上春樹と私」
3度の飯より村上春樹が好きな自分としては、『1Q84』『ノルウェイの森』『ねじまき鳥クロニクル』の英訳をしたJay Rubin氏の著作「村上春樹と私」東洋経済新報社 (2016/11/11)は読まずにはおれなかった。 ========= <内容紹介> ...
茂木健一郎「芸術の神様が降りてくる瞬間」(対談集)
茂木健一郎さんの対談集、「芸術の神様が降りてくる瞬間」光文社(2007年)を読みました。 BS日テレでの「ニューロンの回廊」という番組での対談の書籍化です。 対談相手が超豪華で、町田康さん、金森穣さん、山下洋輔さん、立川志の輔さん、荒川修作さんというラインナップ。 ...