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三島由紀夫のことばのくすり

三島由紀夫の豊饒の海を、ちびりちびりと読んでいる。

なぜ三島さんが、輪廻転生や意識の階層構造のことを最終テーマとして、長大な小説を書くに至ったのか、その暗号を読み解くように読んでいる。


今も、けたたましく興味深い新刊が出続けるので、それを読んでいくのも日々ヒーヒー言っているところだが、その中に古典を織り交ぜしながら読むと、テキストで何が大事なのか、その本質がよくわかってくる。先日は宇津保物語を読んで感動した。


今年の年末は、豊饒の海全巻を一気に読みたい。横尾忠則さんと親交の深かった三島さん。最近は妙に気になる。


三島由紀夫の言葉は、一文一文がそれだけで完結していて、文章全体としても完結している。すごい分体だと思う。

まるでライフサイクルのように。

人生は一瞬一瞬が完結していて、一生としても完結しているように。



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○「生と死」 人間というものは “日々に生き、日々に死ぬ” 以外に成熟の方法を知らないんです。

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○「美とは何か」 飛行機が美しく、 自動車が美しいように、 人体は美しい。 女が美しければ、男も美しい。

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○「スランプの克服」 いわゆる芸術的スランプなるものは、 十中八九、生活に原因がある。

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○「卑しい人間」 「役にたつ」ことばかり 考えている人間は、 卑しい人間ではないか。

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○「表面的なもの」 一番表面的なものが、 一番深いものだとさえ 考えるようになった。

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○「日本語について」 今さら、日本を愛するの、 日本人を愛するの、というのは キザにきこえ、愛するまでもなく ことばを通じて、 われわれは日本につかまれている。 だから私は、日本語を大切にする。

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