現代山形考 ~藻が湖伝説~ +まちのおくゆき@山形ビエンナーレ2022
『みちのおくの芸術祭 山形ビエンナーレ2022』は9月の週末+祝日のみ(具体的には9/3-4, 9/9-11, 9/16-19, 9/23-25)だけですので、お忘れなきように~。
山形駅についたら、まずは山形駅から文翔館に足を運び、「 現代山形考〜藻が湖伝説〜」という超ド級の展示を体験しに行ってみてください。そこから、自分が好きなプロジェクトへ足を運ぶのがよろしいかと。
深い無意識に潜るような展示空間の作り方は素晴らしく。 文翔館のような建築自体が文化財の中での展示は、イギリスなどでは見かけても、日本のような縦割り行政ではウルトラCに難しい展示なのです。
東北芸工大は、文化財保存修復学科という素晴らしい学科があり、だからこそお寺や仏像を解体して修復することが身近で、そうしたプロセスも含めて壮大な展示の一部分になっています。まさに「いのちをつなぐ」展示。
古代の風習(ムサカリ絵馬)を現代的な解釈で画家が描きなおす作品もぐっとくるものがあった。
伝説をゲーム化して再体験するものも含めて、あらゆる文脈で人間が作り出すバーチャルリアリティーが心の平衡にどれだけ貢献しているのか、と。まさにそれは芸術の力ではないか!と。
山形ビエンナーレの見どころが一気に凝縮された展示は必見です!!
文翔館の展示で、偶然に「視覚障害者とつくる美術鑑賞ワークショップ」とご一緒した。(担当キュレーター=アイハラケンジ=アイケン先生)(「まちのおくゆき」)
これがまた素晴らしい企画で多くの発見があった。
視覚障碍者の方と展示を見る。 たとえば、周りの人が絵を説明する。 黄色い、奥に山が見える、手前に田んぼがある、、、 言葉で説明していくと、もっと観察するようになる。 あ、ここにもこういう絵が描かれている、手の指の形は、、、など。 そして、もっと適切で端的な表現はないかと、みなが頭の中で適切な言葉を検索して頭が活性化しているのがよくわかる。
それは、文化財の修復のようなもので、絵をすべて要素に分解してみて、それを再度みなであーでもない、こーでもないと再構築して、ひとつの理解という形にするような行為。
そこには「共に分かり合おう」という優しい気持ちが場に渦巻き流れていて、その場に身を浸しているだけで温泉に入っているようなポカポカした優しい気持ちになり心地よい。
文翔館での文化財修復の展示と、視覚障害の方と作品を分解して修復するような場とが呼応し合っていた。
こういうことが、まさに善意や優しさが循環する場なのだな、と思ったのです。
こうした温かく優しい心が、文翔館や山形ビエンナーレ全体を質の高いものへと変容させる触媒になっていると感じました。 アイケン先生、三瀬先生、宮本先生、その他の関係者の方やファシリテータや参加者の皆さん、ありがとう!
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