2017/8/6 UA Live 日比谷野音
8/6.UAさんの日比谷野音。素晴らしかった・・。 野外なので、昼から夜に摩天楼の風景が変化していく。
夜が更けていく共に、なんだか意識の深い森に迷い込んでいくかのようで、意識の深い場所に食い込んでくるような音の波動。 「記憶喪失」の低い音が異界への入り口のようで。
古い曲から最新の曲まで、どの層にも通じる構成だった。
まず、衣装が素敵だった。
最初に登場した瞬間、ファッションと存在の力だけで空間が変わる。 緑とピンクの衣装は、妖精のようで花弁のようで。着こなせるのはUAさんくらいしかいないだろう。
UAさんの体は常に脱力していてのびやかで、歌声もやわらかい。
動いていること自体が舞いとなり、踊りとなり、表現になっている。それを極めていくと、動かなくてもいるだけで、太陽(てぃーだ)のようにエネルギーを放射する。
名曲「雲がちぎれるとき」を、特別ゲストの長男、虹郎くんのギターと二人で歌ったのは鳥肌。
UAさんは、本当に普遍的で質の高い楽曲作りを続けていて、なんだか勇気をもらう。
時代の風潮に負けず、UAさんであり続けてほしい。
そして、きっと大丈夫だろう。
UAさんは「暮らし」を大切にしているので、地に足がついていて、根っこが強く生えているから。
初期のUAさんをプロデュースをした朝本浩文さんが2016年に53歳の若さで亡くなられた(「情熱」、「雲がちぎれる時」、「甘い運命」、「悲しみジョニー」、「ミルクティー」、「数え足りない夜の足音」、「スカートの砂」など)。
広島に原爆が落とされた8/6に歌うUAさんの歌声は、レクイエムであり鎮魂であり、祈りと愛、そのものだった。
それは今年4月の浜市開港記念会館でのLiveでも感じたこと。
UAさんが、「生きている奇跡」のことを最後にさりげなく語っていたのも、きっとそのことだろう。
生きている、というのは、それだけで「生き残っている」のだ、ということを。
そういう人たちの総体が、「いま、ここ」の総体を形作っているのだ、ということを。
●UA 雲がちぎれる時 (この映像は7年前の日比谷野音のステージ)