仕立て屋のサーカス@新宿ルミネ ゼロ
仕立て屋のサーカス、すごく面白かった!
空間や光の使い方が素晴らしく(自分には音量と光量が過剰過ぎる面もあったけど)、音楽を音楽単独で聞く時代から、次の時代へ移行していく可能性や予感を感じた。
曽我大穂さんとは食の鼓動でご一緒して、あらゆる楽器を演奏できることに驚いた。
今回の舞台でも、大穂さんの天才的な音楽センスに、とにかく驚かされることになった。 ローランドカークのように、放逸するリズム、漏れ出るメロディー、あふれる余情。巨大なあふれんばかりの才能。なぜここまでいろんな楽器を自分のものとして奏でることができるだろう。
バッハのゴールドベルグ変奏曲を聞きに行った後だったこともあり、クラシック音楽もこうした素晴らしい舞台や空間で体験することができれば、もっと可能性が広がるな、と色々と妄想はふくらむ。 そういうこともふくめ、色々と自分のイマジネーションを刺激される舞台だった。
「仕立て屋のサーカス」が、舞台中に何を「仕立て」ていたのか? それは、お客さんが持って帰る宿題のようなものか?
ハサミがちょきちょき切れる音で爽快感を感じてしまうのは、インターネットなどで情報通信が飽和状態となり、「過剰結合」になっている現代では五感が仮死状態になっている。五感を蘇生させるために、あえて「切断する」ことの潜在的な欲求を抱えているからなのかもしれない。
舞台が即興的に変化するからこそ、何度も見に行きたくなる舞台だ。
今後も進化・変化し続けそうで、それも楽しみだ。