通天閣 澤野工房
Kamasi Washingtonに続き、Jazz、音楽関係で小話を。
自分は「澤野工房」のオーナー澤野由明さんを、勝手に尊敬している。
澤野工房とは、ジャズレコードやCDを出すレーベルだが、実はこの澤野さん、通天閣のふもとにある履物屋の4代目が本職なのだ。 普段は通天閣で草履やサンダルを売っている。 ただ、澤野さんは少年時代に猛烈にJazzにはまり、極まってしまった。結果、自分でJazzのレーベルをつくってしまった! そして、自分がいい、と思う演奏家のCDやレコードを自由に作り続けている。 だから、澤野工房(澤野履物店)と書いてある。
通天閣で草履を売っている店で、Jazzレーベルをやっているなんて、かっこいいじゃないですか。 長く飽きが来ないように、生きて歩き続ける人生の活動を支える、履物もJazzも深い精神性では一致しているのだろう。
澤野さんは、ほんまもんの目利きなのだ。 TVで、こういう方をこそ特集してほしい。(よろしくお願いします)
そんな澤野公房のレコード、そう出回ってない。 だからこそ、受け取った人は大切に大切に持っている。 この使い捨てのインスタントな時代に音楽芸術という形で静かに反旗を掲げるように。 なんと、すばらしい生きざまじゃないですか。 今度、大阪に行ったときはぜひ通天閣とともにのぞいてみたい。(そして、自分もいづれそういうことをしたい。)
レコードは、音楽だけではなく、美術や写真も重要なピースで、総合的な美しい世界なんですよね。 若い人こそ、この世界に可能性を見てほしい。 レコード世界は、物理的な音の出し方を考えると、楽器の世界に近いんですよね。だからみんなその魔力にやられてしまうのです。
このレコードは澤野公房。
仏のピアニスト、EDOUARD FERLET(エドゥアール・フェルレ)の「THINK BACH」。
ジャック・ルーシエとはまた一味違う、バッハ大先生のジャズ解釈。
ここにもひとつの宇宙があり、しびれる。
■Edouard Ferlet Think Bach
澤野工房(澤野履物店)
〒556-0002 大阪府大阪市浪速区恵美須東1丁目21-16 TEL & FAX 06-6641-5015 (営業時間:10時~17時/定休日:木曜 金曜)