動物と人間とわたしたち
横尾忠則現代美術館の帰り道に、神戸市立王子動物園があり、猛暑の中、立ち寄った。 あまりの猛暑に人はほとんどおらず、貸し切りのようなものだった。
よくもまあ、こんな暑い日にくるものだと。
それにしても素晴らしい動物園!
動物の質感を見ていて、なまめかしい皮膚に目が釘付けになる。
おさるさんを見ていると、
やはり人間は植物より動物に近く、
魚よりもカエルよりもワニよりもシマウマよりも、明らかにサルに近い。
ふるまいを見ていると、あまりに面影があるのでドキドキする。
野生の動物は、常に命の危険にさらされていて、戦わないと生きていけない面があるのはよくわかる。
ただ、生き物の中でも、さらに霊長類を代表した人間だけが大規模な戦争で同じ種の中で大量に殺し合いをするようになった事実は、
動物含めた生物界の面々が、ヤレヤレ、と思っているんだろうな、という気がした。
頭まで血流を送るために、血圧も高そうだなぁ。
魚類から両生類を経て爬虫類が誕生し、皮膚を乾燥から耐えられるようになった。
最初に皮膚をつくるときは過剰防衛にも思えるほど皮膚を固くしただろう。 ただ、あまりにもやりすぎか?ということで哺乳類の皮膚はすこしずつ柔らかくなり、外を強く遮断するだけではなく、内と外との交通をよくするようになった。
爬虫類が作り上げた皮膚を見ていると、その頑ななほどの強く頑丈な皮膚から、よくもまあ人間の皮膚のようなスリスリしたくなるものまでに変化したものだと驚く。
もちろん、人間のように柔らかい皮膚を丸出しにしている生き物は、極めて珍しいことも思う。ファッションにも、生物学的な必然性があるのだ。
コアラもコアラなりに、世界の平和や最近の温暖化に関して、いろいろ考えていそうだ。
目と目があうと、心が通じ合った気がする。