長井朋子個展「100年と10月の桜」@海老原商店
画家、長井朋子さんの個展を秋葉原に見に行く。
昭和3年(1928年)に建てられた古く、して美しい海老原商店という場所での展示。
驚くほどに絵が空間に調和していた!
現実へファンタジーが侵入し、ファンタジーに現実が侵入し、互いにせめぎあいながらも森のように調和する絵画世界は、ホワイトキューブで見るよりも、こうした古民家のような厚い時の流れの中で見るほうが魅力が増す。
二階の床の間にあった、水墨画にファンタジーが入り込んだような絵に釘付けになった。 こうした茶室でお茶を点ててお茶を飲み、この絵の感想を互いに共有したら、新しい茶会になりそうな予感だ。
ずっと絵を見ていると、あちらの世界に引っ張り込まれそうな気持になった。
どの絵も、絵自体の磁場が強く、すべての絵に引き寄せられ、引き付けられる。 絵やぬいぐるみが、家の妖精のように隠れている。
以前は、おばあさまが実際に住まれていた住まいらしく、思わずくつろぐ空間。職人の腕が光る建築空間。だからこそ、絵をじっくり見るし、絵の中に込められた無限の情報を再度発見する。
すごく落ち着いて絵を見れる素晴らしい機会。 建物もあたたかく、絵もあたたかい。ほっこりと幸せな気持ちになる。
東京でこうした建物が残っていることが素晴らしく、東京でこういう展示が見れることが貴重だ。 しかも、1点以外はすべてが新作という仕事の熱量がすごい。
お子さんが生まれて一時期絵を描く時間が取れなかった。だからこそ、絵への熱い思いがキャンバス内に爆発して溢れ出して空間にまで飛び出していた。 ぜひ見に行ってほしい。 11/18までです。 金土日しか開いていませんのでご注意を!!!
=============== “ 100年と10月の桜 ” 長井朋子個展「100年と10月の桜」を千代田区景観まちづくり重要物件「海老原商店」で開催いたします。 看板建築「海老原商店」を、文化・芸術による活動を通して広く、多くの方に直に体感いただき、建物 PRと維持、保存のお役に立ちたいという長井朋子が企画する、「桜」をテーマとした個展です。
期間:2018年10月19日[金]-11月18日[日](※金土日のみ開催) 時間:13:00 – 20:00 場所:海老原商店(千代田区神田須田町2-13-5) 入場料無料