えほんのせかい
塚田さんから頂いた、「やこうれっしゃ」(西村 繁男)という絵本は、子供以上に自分が何度も何度も読み返してしまう。 れっしゃが、人々の人生そのものを運んでいた時代。1983年の絵本。
上野駅の描写には、猪熊弦一郎の《自由》(1951年)という壁画も書き込まれている! 寝ている人たちの寝息が聞こえてくるようだ。 読み返すたびに、胸が熱くなる絵本。 ぜひ大人もお読みいただきたい。
絵本の世界は、現代アートのような先鋭性を持つものも多く、アート、物語、言葉、イメージ、意味を超えた普遍的なもの・・・、全体性こそがそろっていて、図書館で借りまくり、子供と読みまくっている日々。
たくさんいい絵本があり、1歳の子供に読ませながらも、自分が一番楽しんでいる気もする。
買ったものも借りたものもすこしご紹介。
柳原良平さんの絵柄はなんとも素晴らしい。
しかも、この絵本は七福神がテーマで、なんともめでたい。
西村 敏雄さんの絵もなんとなくとぼけててかわいい。
内容もキュート。比較的新しい絵本なのに、何か古く懐かしい世界を感じさせる。
たむらしげるさんの世界はどれも素晴らしい。子供が生きている世界をそのまま絵にかいてあるようだ。こどものころは、みんなこういう素晴らしい世界に住んでいたんだなぁ、と思いだたせてくれる。
谷内 こうたさんの世界も、映画を見ているようで、夢を見ているようでドキドキする。
文字が最小限まで削られたイメージそのものの世界。
こどものともシリーズというのは本当に素晴らしいシリーズで、一冊も駄作がない!!
年少版だけじゃなくて年中版とかいろいろあるけど、常に図書館で借りてくるシリーズ。 軽いし、好評なのがハードカバーで絵本化されるのかな?
やぎゅう まちこさんの絵は、やさしくてかわいくて、本当に素敵。 病院が皮肉な形ででてくるところが、うけた。
福音館書店の「こどものとも年少版」シリーズも素晴らしいが、「ちいさなかがくのとも」シリーズも素晴らしい!!
かがく、と言っても小難しいものは一ミリもなく、かがくの本質、世界を発見することの本質が描かれている。
『わたしも かぜに なれるのよ』は、終わり方がとっても幻想的で豊かで、余韻に浸ります。
福音館は偉大な書店だなぁ。
この本がすごいのは、みずうち さとみ さんの刺繡!!で世界が表現されているところ。 前衛アート作品のようで。内容も素晴らしく!
この本は読む側も楽しい。
自分も寿限無は覚えてしまいました!
1歳の子供も何度も求めるのは、やはり音のリズムが響くんでしょうねー!
「じゅげむ じゅげむ ごこうのすりきれ かいじゃりすいぎょの すいぎょうまつ うんらいまつ ふうらいまつ くうねるところにすむところ やぶらこうじのぶらこうじ ぱいぽ ぱいぽ ぱいぽのしゅーりんがん しゅーりんがんのぐーりんだい ぐーりんだいのぽんぽこぴーの ぽんぽこなーの ちょうきゅうめいのちょうすけ」
このしかけ本っていうのは、絵本にいろんなしかけがしてあって、読んでいる方も紙をめくったり閉じたりと本当に楽しい。五味太郎さん、やっぱすごいわー。
1歳の子供には難しいんですけど、矢野顕子さんが絵本を!というので驚いたのでご紹介。
3.11の話。
1977年の五味さんの絵本で、絵のたっちはかなり違うんだけど、やはり子供は大好き。
指と自分、その二つの存在がわかれてなくて、主語もあいまいなところが素敵。
最後に出てくる五味さんの1977年当時の写真に、 驚いたー。
バーバパパはキャラクターグッズでもよく見かけるけど、やはり名作中の名作。
1972年とは思えない絵のタッチと未来的な内容。
何度読んでもいい絵本!と思える。
●和田 誠 (イラスト), 谷川 俊太郎『がいこつ』 教育画劇 (2005年)
和田誠さんのイラストと、谷川俊太郎さんの詩という最強の布陣。
がいこつが主人公なんですが、死に関する哲学的、かつユーモアに満ちた絵本。
こういうエッジのきいた、攻めた内容が、絵本という媒体で表現できることの素晴らしさ。
他にもたーーーーーーくさんのいい絵本があるのですが、キリがないのでこれくらいで。
またいづれご紹介したいのがたくさんあります。
自分も絵本を描いてみたいな!!!と改めて。