「原三溪の美術 伝説の大コレクション」@横浜美術館
横浜美術館に、「原三溪の美術 伝説の大コレクション」を見に行く。
原三溪氏のことをあまり知らないで行ったが、横浜で生糸貿易などえ財をなした実業家であり、同時に古美術品のコレクターの稀代な目利きであり、茶人として風流、酔狂に生きた自由人のの数寄者(すきもの)であり、自身も書画・漢詩を書くアーティストであり、美術家をサポートしたパトロンでもあった。
「コレクター」「茶人」「アーティスト」「パトロン」という多角的な視点からとらえたこの展示は、本当に素晴らしいもので、自分もこうして風流に生きたいものだ、と思った。
《寝覚物語絵巻》(平安時代後期)の本物は初めて見たし(「寝覚物語」って、まさに寝て覚めている意識のあわいの状態で書かれた物語。タイトルが素晴らしくないですか!?)、《孔雀明王像》は迫りくるエネルギーがガラス越しにしみ出していた。こうした動物と人間とのハイブリッドは、当時の真のリアリティーだったんだろうなぁ。半端なかった。
雪舟、本阿弥光悦、尾形光琳、伎楽面(迦楼羅(かるら))(奈良時代!)・・・と言ったなかなか生で見れない代物。
宮本武蔵の書画(眠り布袋図?)も素晴らしかった。 志野茶碗や井戸茶碗など、お茶づいている自分には貴重なものを見たし、源実朝!の絵も美しく、
近代では、横山大観、下村観山、安田靫彦(ゆきひこ)・・・・目利きの原三溪氏が選んだ審美眼はすごかった。自身も絵を描かれるからこそ、だと思う。
特に安田靫彦(ゆきひこ)は、村上春樹さんの「騎士団長殺し」で出てくる画家のイメージに近い(モデル?)なんじゃないかなぁと思っていることもあり、穴があきそうなほど脳内にイメージを転写するように念入りに凝視してきました。笑
下村観山の《弱法師》は自分も大大大好きな絵!なのですが、これは8月9日(金)‐9月1日からの展示なので今回は見れず残念。また改めて訪れよう。原三溪氏が所蔵していたのは初めて知りました。
横浜美術館は特別展も素晴らしいんですが、常設展が輪をかけて素晴らしいので、是非ともたっぷりの時間を作ってみてください。 ダリの彫刻とか、ベーコンの絵も、ありましたよ。
圧倒的な質と量を、ぜひ体感しに行ってください!
横浜美術館開館30周年記念 生誕150年・没後80年記念 原三溪の美術 伝説の大コレクション 会期:2019年7月13日〜9月1日 会場:横浜美術館 https://harasankei2019.exhn.jp/