秋田1:アーツセンターあきた、「踊る。秋田」、油谷コレクション
アーツセンターあきた、の方々にお呼びいただき、講演をさせてもらった。
秋田に行くのは初めてだった。
アーツセンターあきたは、秋田公立美術大学が設立したNPO法人で、大学と地域の社会連携を担ってきた社会貢献センターが、2018年4月にNPO法人アーツセンターあきたとして生まれ変わり、アートとデザインを用いた新たなプロジェクトに取り組んでいるところです。
秋田市委託 文化創造交流館(仮称)プレ事業の一つ「未来の生活を考えるスクール」として、光栄にもお呼びいただいたのでした。
■2019/9/7(Sat):秋田市文化創造交流館 プレイベント 出会う、つくる、はじめる「医療と芸術、いのちを呼びさます」@ほくとライブラリー明徳館2F(秋田県秋田市千秋明徳町4-4)(司会:唐澤太輔、主催:NPO法人アーツセンターあきた)
(→詳細HP)
秋田城には上野公園の不忍池のように蓮の花が。 ちょうど自分が行った土日に天皇陛下も秋田に来られて帰られるという奇遇も重なって。
満員御礼で、みなさん熱心に聞いて頂けて嬉しかった。
自分はどちらかと言うとファシリテーター向きかなと思っているので、久しぶりにこういう単独公演させてもらったなぁ。
みなさま、お呼び頂きほんとうにありがとうございました!(上の写真は唐澤さんのFbの写真からお借りしました)
唐澤太輔さんの著作はすべて持ってますが、熊楠研究者の若手ホープの方。
お互いに世代が近く、自分は少年ジャンプで熊楠の自伝漫画「てんぎゃん」を読み、その影響を受けた、という話が通じてうれしかったなぁ。
講演後には秋田をぶらりと歩いた。
ちょうど「踊る。秋田」という国際的ダンスイベントがあり(舞踏の土方巽が秋田出身だから、ダンスの土壌があるみたいですね!)、イスラエル人Renana Razさんの『WART』(←WAR+ART) というダンス+演劇を見た。
イスラエル近くでの紛争の激しさ、それでも踊り続けダンサーの強い意志を感じた。
戦争では多くの人が亡くなり、感覚がマヒしてくる。
ただ、ある一人の少年の死の鎮魂がきっかけとして、このダンスが立ち上がったのではないかと思わせる最後のシーンがあり、思わず涙した。
(翌日には大駱駝艦の公演があり、それは行けなかったのが残念)
翌日は、藤浩志さん、宇野澤昌樹さん、唐澤太輔さんに秋田をご案内いただいた。本当にありがとうございました。
まず、油谷コレクションを見に行った。
→●油谷コレクション
秋田市/特定非営利活動法人 油谷これくしょん 〒010-0123 秋田市金足片田字待入109
ここは、現在85歳の油谷滿夫(アブラヤ・ミチオ)さんが、明治、大正、昭和初期などのあらゆるものを50万点近く収集し、そのコレクションをカオスのまま展示している場所。
廃校になった小学校が置き場になっているが、その膨大な物量に驚く。
新聞や雑誌、日用品など、捨てられるものが多い大量生産物をあえて集め続けていて、時空がねじれるような圧倒的な物量。
モノが存在するには空間を必要とする、という当たり前の事実に圧倒される。 すべてが等価に収拾されている。
価値ではなく、モノに感じた一つ一つ生命との交歓。
かぎりなく狂気に肉薄した本気ど真ん中の個人の執念はすごい。
集められた一点一点が、社内での企画会議を通り、実際に製作した人がいて、販売した人がいて、購入した人がいて、、、というストーリーを考えると、頭がクラクラした。
と同時に、 モノへの愛。
と同時に、 廃棄されるモノへの鎮魂の作業のようにも思えたのだった。
あの大杉栄が、ダーウィンの「種の起源」、訳してたんだなぁ。
アブラヤさんが作られたオブジェ。素敵な曲線。
アブラヤさんが50歳の時に作図した、この現実世界の図。
まさにアブラヤ曼荼羅だ。
こういうの、みんな作ってみると面白いかも。
後ろ髪惹かれる思いで、人類の営みの洞窟を後にした。