富士のほとりで芸術と自然を愛でて
富士山近くの日月倶楽部で、辻雄貴(華道家)さん、大倉源次郎先生(能楽 囃子方 大倉流小鼓方十六世宗家)との対話の時間。とても豊かな時間だった。
■2019/11/3(14:00-16:00)辻雄貴(華道家)『自然素材の採取からはじめる生け花』, (16:30-18:00)辻雄貴x稲葉俊郎対談『心の養生と自然、芸術、文化』@日月倶楽部(静岡県富士宮市猪之頭2271) ■2019/11/4(9:00-10:30):大倉源次郎(能楽 囃子方 大倉流小鼓方十六世宗家)x稲葉俊郎対談『能のスピリチュアリティーと心の処方箋』@日月倶楽部(静岡県富士宮市猪之頭2271) →日月倶楽部HP
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辻雄貴さんとの「自然素材の採取からはじめる生け花」のワークショップは素晴らしかったなぁ。
辻雄貴さんは建築の勉強が土台となって、その上で生け花のプロでもあり、空間全体と植物との関係を常に探求されているから、理論的でもあり感性も素晴らしく、その塩梅が絶妙な方だった。カーネギーホールでの生け花デモンストレーションも、生で見たかったなぁ。
能楽小鼓方の大倉源次郎先生は、人間国宝でもある方なのに、その肩書を超えた世界で、自由に風雅に、かつユーモアと気品あるたたずまいで、学ぶことが多数ある方だった。
夜も朝も富士の前で鼓を打っていただき、風や水、自然と人間とかがいかに共存しながら一体となり、それでいて各々が独立した存在としてこの世の生を全うするのか、そうした哲学的思考が無意識の深みから頭の中へと浮上してきた。鼓は仙境を楽しむような音使いで、それにもまた驚きっぱなしだった。
お忙しい中駆けつけて頂き、本当にありがとうございました!
富士静養園の自然も素晴らしく。水があるところに生命が宿る。 地球をお借りしている人間が、自然を邪魔しないよう、それでいて、生け花のように、生かすよう、常に人間が問われていること。そうした実践と場づくりをされている山本竜隆先生には尊敬と敬意。
自然を観察していると、鉱物も植物も、土も水も、絶妙な塩梅でバランスをとって共生していて、地球の歴史ではニューカマーな存在である人間が、こうした奇跡の場に共生の場を与えてもらえているだけでも光栄なことだな、と。居場所って大事だなぁ、と。
富士山も、常に表情を変えていて、見飽きない。これはどの山も同じ。山は二週間サイクルくらいで生態系がどんどん更新しているのが分かるが、毎秒毎秒、空気と水の層のあわいの中で表情を変える。人間も同じだなぁ。