「流転100年 佐竹本三十六歌仙絵と王朝の美」@京都国立博物館
先週は、京都国立博物館に「流転100年 佐竹本三十六歌仙絵と王朝の美」を見てきた。
本物の作品を見て改めて思ったのは、当時の言霊の力はすごくて、和歌の名を借りた呪術的な文字の力を感じて、頭がクラクラした。
言霊とは、言葉と現実とがシンクロすることを言う。 だからこそ、当時の人は現実を動かすために言葉を使い、和歌をうたうことこそが政治であり神事でもあった。
文字の形の力、言葉そのものの力。 原子力発電も家電発電もない時代、自然界のエネルギーを一か所に込めていく技に先人たちは命をかけていたのだなぁ、と。
すべての絵が、宇宙空間に浮かんでいるような絵ばかりで、そうした歌詠みの佇まいにもコスモロジーを感じた。
============ 特別展 流転100年 佐竹本三十六歌仙絵と王朝の美 2019年10月12日 ~ 2019年11月24日
会場 京都国立博物館 平成知新館
100年目の再会!――散り散りになった秘宝が最大規模で集結 36人の優れた和歌の詠み人「歌仙」を描く、鎌倉時代の名品「佐竹本三十六歌仙絵」。かつて2巻の絵巻物として伝わったこの作品は、大正8年(1919)に一歌仙ずつ分割され、別々の所有者のもとに秘蔵されました。2019年は、この「佐竹本三十六歌仙絵」が分割されてから、ちょうど100年を迎える年です。本展では、これを期に、離ればなれとなった断簡を展覧会としては過去最大となる規模で集め、皆様にご覧いただきます。大正、昭和、平成の世を越え伝えられた、秘宝中の秘宝。平安・鎌倉時代に花開いた王朝美術の名品とあわせて、「佐竹本三十六歌仙絵」と、それを生んだ宮廷文化が放つ、最高の美の世界をご堪能ください。
https://kasen2019.jp/
そのとき、光悦寺にも行った。 本阿弥光悦に徳川家康が与えた土地に光悦寺はあり、境内には光悦の墓碑もあった。
俵屋宗達、尾形光琳とともに、琳派の創始者として、光悦が日本文化に与えた影響は大きい。 本阿弥も、観阿弥・世阿弥も、「阿弥」は仏教から来た名前だろうから(南無阿弥陀仏)、日本文化には仏教の哲学が深い無意識に影響しているなぁ。
紅葉が美しかった。
光悦寺 〒603-8466 京都府京都市北区鷹峯光悦町29