伝統と創造シリーズvol.13『雨ニモマケズ』@セルリアンタワー能楽堂
伝統と創造シリーズvol.13『雨ニモマケズ』を観にセルリアンタワー能楽堂に。
演出・振付 森山開次さん。このシリーズはずっと観ています。
宮沢賢治の作品を層のように重ねて響き合わせながら、カオスを産み出しながら、鬼気迫るダンスでそれぞれのチャプターを結び、ほどき続けるような舞台。森山開次さんの存在感の揺るぎなさはもちろんだが、義足のダンサーである大前光市さんのきらめきが素晴らしかった。衣装も音楽も、東洋なるものと西洋なるものが不思議なバランスで同居し、時に破綻するも、また新たな着地点を見つけて前へ前へと進んでゆく。
賢治の詩で出てくるオノマトペは、まさに身体言語そのもので、ゴーゴーゴー、など、全身からも音が放たれていた。
異界なのか現実なのか、夢なのか幻なのか、あらゆる意識の層を旅する。時にコミカルで笑みこぼれる舞台は、人生のパノラマを見るようなあっという間の時間。
玉手箱のように常に予想できないものが飛び出てくる舞台。脳を麻痺させながらほぐしてくれた。
夢見るときのように時間と空間の存在をしばし忘れる、渋谷で見る夢のひととき。
伝統と創造シリーズvol.13 創作舞『雨ニモマケズ』
2023年8月3日(木)~6日(日)※公演終了
演出・振付 森山開次
原作 宮沢賢治 作品群より 監修 津村禮次郎 作曲 渋谷牧人 舞人 津村禮次郎、大前光市、森山開次 歌唱 福井敬 チェロ 多井智紀 箏 澤村祐司 笛 田中義和 和太鼓 高橋勅雄、高橋亮
舞台美術 倉田康治 衣装 藤崎コウイチ
主催/企画制作:セルリアンタワー能楽堂 企画制作:スタジオアーキタンツ http://a-tanz.com
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