慶応大学SDMへ
しばし無職となり、すべての運命を受け入れ、英気を養っていました。
そうした中で、5月から慶應義塾大学大学院 システムデザイン・マネジメント研究科(SDM) 特任教授を拝命しました。
療養中に色々な湯治場へと通い、いのちと向き合う時間を作りました。温泉・湯治を介して、地球の存在を改めて痛感しました。私自身が湯治により心身の変容と治癒を体感したのは貴重な体験でした。
起きることすべてに意味があります。エゴを捨てて人生の意味を虚心坦懐に読み取ることさえできれば、我が身に起きる体験はすべて未来の糧になるのだと思います。
温泉は地球エネルギーです。
今こそ、わたしたちは地球に生きている、という自覚を持ち、地球とエネルギーを介してつながりながら、地球というマクロな生命体と人類を含む生類(しょうるい)というミクロな生命体とをどう調和させるか、という時期に来ていると思います。
現代医学の臨床現場で20年間過ごし、現代医学のいいところも悪いところもすべて学びつくしました。一度も手を抜いたことはありません。瞬間瞬間にベストを尽くして生きてきました。
次のステップは、すこし医療現場から離れ、より大きな視点で健康、幸福、well-beingを考えて実践していく立場になります。
私の慶応SDMの上司である山形与志樹先生は、長く地球温暖化の研究と脱炭素(カーボンニュートラル)社会の実践を続けてきた先生です。この研究室で、私はwell-being社会の実現に向けた研究と実践に取り組んでいきたいと思います(cf.未来社会共創イノベーション研究所)。
現代医学ではすくい切れない領域を、芸術や音楽や文化、神話や昔話なども含めた物語や対話、湯治や温泉、伝統医療が秘めるあらゆる治療の技と術、伝統芸能が秘めるあらゆる心身に関する叡智・・・
などで自在に補いながら、誰もが健康や幸福を実感できる社会に、少しでも寄与できればと思っています。
より広い視野と時間軸で、この激動の現代を創造的に乗り越えていきたいと思っています。
2018年に【Fresh Faces #151】というBS朝日の番組に出させていただきました。ここで「病を扱うのではなく生を養う場所(養生所)を創る」という発言をしています。自分自身に嘘はつきたくないと思っています。やっと、この言葉の実現に向けて、歩みを進めていくのだな、と感じています。
今後、軽井沢と日吉を行ったり来たりしますので、色々とお声かけくださいませ。
2024年9月には山形ビエンナーレも控えています。こちらも蔵王温泉です。
温泉(地球エネルギー)と芸術と、詩や眠りなど、あらゆる生命活動が統合される表現と治癒の場です。ぜひお越しいただきますように。
(他にも、アーティストの青葉市子さんとの共演や、Noismの金森穣さんとの対話、鉄輪温泉でのかんなわ蒸し通りずむなど・・・。もろもろあります。)
日吉キャンパス にて。
●【Fresh Faces #151】稲葉俊郎 医師(医学博士 東京大学医学部附属病院 循環器内科 助教)
●【Art festival】2024/9/1(Sun)-9/16(Mon):山形ビエンナーレ2024 in 蔵王(芸術監督:稲葉俊郎、総合キュレーター:小金沢智、総合プロデューサー:中山ダイスケ)@蔵王温泉+東北芸術工科大学
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